日本メディカルネット 買い殺到 新興市場の小型株人気追い風

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2010年IPO(新規上場)最終案件の日本メディカルネットコミュニケーションズ(3645・東マ)が21日、新規上場した。下馬評通り人気を集め、公開価格(840円)比2・08倍の1750円で初値を形成した。これにより、本年IPO22銘柄は10勝9敗3分けとなった。

日本メディカルネットコミュニケーションズは、歯科・美容・エステ分野に特化したポータルサイトを運営。サイトで紹介する歯科医院、エステサロンなどに対してホームページの制作やSEO検索エンジン最適化)対策、リスティング広告の出稿代理などネット広告のコンサルティングも手掛けている。

個人人気の根強い「ネット関連」にカテゴライズされ、かつ、市場からの資金吸収額が11億円強にすぎず「軽量感」というIPOマーケットでの"人気化2大要素"を兼ね備えていたことが好発進の背景。値動きの軽い中小型株に資金が向かう年末相場特有の地合いも味方に付けており、需給主導でしばらく活発な商いが続きそう。

一方、直近IPO一番人気のイー・ガーディアン(6050・東マ)は、21日は日本メディカルネットに関心が奪われさすがに一服だが、好需給&成長評価をバネに当面、日本メディカルネットとの"協演相場"を繰り広げることになりそうだ。

両銘柄が属する新興市場の地合いは引き続き良好。参考までに、JASDAQ約1000銘柄の値動きを表す新興市場の代表的指数、JASDAQ平均は21日で歴代連騰記録6位タイの「16」まで連騰記録を伸ばした。同指数の15連騰以上は10度目だが、今回の期間上昇率は5%超と、過去の15連騰以上の期間上昇率としては過去最低で、指数過熱感は皆無といえる状況にある。

さて、2010年IPO銘柄の公開価格に対する初値騰落は「10勝9敗3分」と五分五分(表参照)。スタートでつまずくと公開価格奪回に時間がかかってしまうのがIPO銘柄の習性だが、そのセオリー通り、Paltac、フーマイエレ、1stなどは公募価格を下回り続けている。

好発進銘柄にしてもイー・ガーディアンを除き、実質初値天井を形成するパターンがほとんど。ただ、電子書籍販売のパピレス(3641・JQ)が12月に入り再動意。電子書籍・アプリ関連のボルテージ(3639・東マ)も12月に入り躍動し、上場直後にマークした高値奪回に向けた足取りを見せている。エスクリ(2196・東マ)にしても、ベストブライダル(2418)、ノバレーゼ(2128)と相次ぐ類似業態の東証1部昇格決定に刺激され11月以降、戻り歩調に転じるなど、地合い改善に伴い戻りを試し始める本年IPO銘柄が続々。

ペット保険大手のアニコム(8715・東マ)も初値天井ながら下値では押し目が入り、セカンダリーで堅調に推移している。同社株に関しては機関投資家も関心を寄せており、「ペット規制」が表面化しようものなら再人気化必至だろう。このほか、12月IPOのポーラ・オルビスHD(4927)は、12月期末を控えた配当取り(年間40円)の買いを交えここ切り返してきた。(日本証券新聞

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