【IPO準備企業 航空会社や医療モール企業が登場へ】

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IPO(新規上場)件数が回復傾向にある。2009年に19社にまで落ち込んだIPOは10年に22社、今年は9月までで21社に達した。市場環境は内外に不透明要因を抱えているが、水面下で進む10―12月のIPOには18社が候補となっているもようだ。



今年のIPOは上場済み(17社)と上場予定発表済みで22社。このほか最大で18社が新規上場を年内に準備しているとされる。IPO計画に乗っていても、市場環境、業績動向などを勘案し、上場時期は先送りする企業も出てくる可能性はある。



実際に10―12月にどの程度の社数が出てくるかは不明であるものの、大方の予想は15社前後。つまり、11年IPOは合計で36社前後という水準が読み取ることができる。



13日付本紙で、運用会社の日興アセットマネジメント(東京都港区)、オンラインゲームおよびソーシャルゲームネクソン(東京都中央区)、理化学研究所発バイオベンチャーのカイオム・バイオサイエンス(東京都新宿区)、米マサチューセッツ工科大学発の技術を基に医療製品を手掛けるスリー・ディー・マトリックス(東京都千代田区)などが候補に挙がっていることを紹介した。中で、スリー・ディー・マトリックスは正式に10月24日上場が発表されたばかり。



それ以外の銘柄情報が入手できたので紹介したい。



まず、スターフライヤー(福岡県北九州市)が有力候補。大和証券が主幹事を務めるとされ、東証2部上場が観測されている。



同社は北九州空港に本拠を置く航空会社。2006年3月の就航当初、スタイリッシュな黒い機体が話題となった。12年には同社初の国際線となる北九州―釜山線の就航が予定されている。同社の上場となれば、九州関連株のほか、ハウステンボスを運営するエイチ・アイ・エス(9603)などにも市場の関心が回ってこよう。



製造業の上場も観測されている。リチウムイオン二次電池用セパレータフィルムを手掛けるダブル・スコープ(神奈川県川崎市)、日本を代表するアンテナメーカーの1つで船井電機(6839)が資本参加しているDXアンテナ(兵庫県神戸市)、阿波製紙徳島県徳島市)などだ。



阿波製紙は大正5年の創業以来、阿波和紙の伝統を継承し、現在は特殊紙・機能紙のトップメーカーに成長している。ちなみに、四国・高知県に本社を置く絶縁紙専業大手のニッポン高度紙(3891・JQ)は、土佐和紙をルーツに持つ。



このほか、不動産再生のサンセイランディック(東京都千代田区)、調剤薬局と医療モールを展開するアイセイ薬局(東京都千代田区)、電子書籍関連企業もIPO候補に挙がっているもよう。アイセイ薬局は「医療モール開発のリーディングカンパニー」という顔も持ち、既に51の医療モールを展開している。医療モールと介護施設の連携も進めており、調剤薬局業界の中でもユニークな存在といえそうだ。



このように10―12月のIPOが取りざたされている企業の顔触れはバラエティーに富み、市場の関心を引き付けそうなものも散見される。「デフレ経済に、リーマン・ショック以降は世界経済変調が重なり、経営のかじ取りが難しい局面が続いている。業態にもよるが、厳しい環境下でIPOできる企業は経営力が概して高い」(市場関係者)。また、東京メトロの上場観測が底流にあることから、IPOマーケットが低迷することは国策的にも避けたいところ。IPOマーケットの活性化が期待できるなか、類似対象企業をターゲットとした物色人気の広がりにも準備しておきたい。(日本証券新聞








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