今年も跳ねるか「卯年相場」
株ブログ IPO・新規公開株
2011年は卯年。かねて卯年は、株式相場とは相性がいいとされる。干支にちなんだ相場格言に「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑う、亥(い)固まる、子(ね)繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」というものがあるが、最後の「卯跳ねる」に象徴される通りだ。実際に、過去の例などをたどりながら、今年の卯年相場について考えてみたい。
辛卯の年、前回は62%高
戦後、1949年5月16日に東証が再開されて以来、すでに61年と半年強が経過。この間に十二支も5巡以上しているわけだが、子年から亥年まで、それぞれの過去の相場成績を振り返ってみると...。
干支別でみた、過去の「日経平均年間騰落率」 | ||||||||
騰落率 | 騰落率 | 騰落率 | ||||||
子 | ― | ― | 1960年 | 55.10% | 1972年 | 91.90% | ||
丑 | 1949年 | ▼37.6% | 1961年 | 5.60% | 1973年 | ▼17.3% | ||
寅 | 1950年 | ▼7.3% | 1962年 | ▼0.8% | 1974年 | ▼11.4% | ||
卯 | 1951年 | 62.90% | 1963年 | ▼13.8% | 1975年 | 14.20% | ||
辰 | 1952年 | 118.40% | 1964年 | ▼0.7% | 1976年 | 14.50% | ||
巳 | 1953年 | 4.20% | 1965年 | 16.50% | 1977年 | ▼2.5% | ||
午 | 1954年 | ▼5.8% | 1966年 | 2.40% | 1978年 | 23.40% | ||
未 | 1955年 | 19.50% | 1967年 | ▼11.6% | 1979年 | 9.50% | ||
申 | 1956年 | 29.00% | 1968年 | 33.60% | 1980年 | 8.30% | ||
酉 | 1957年 | ▼13.6% | 1969年 | 37.60% | 1981年 | 7.90% | ||
戌 | 1958年 | 40.50% | 1970年 | ▼15.8% | 1982年 | 4.40% | ||
亥 | 1959年 | 31.30% | 1971年 | 36.60% | 1983年 | 23.40% | 勝敗 | 平均 |
子 | 1984年 | 16.70% | 1996年 | ▼2.6% | 2008年 | ▼42.1% | 3勝2敗 | 23.80% |
丑 | 1985年 | 13.60% | 1997年 | ▼21.2% | 2009年 | 19.00% | 3勝3敗 | ▼7.3% |
寅 | 1986年 | 42.60% | 1998年 | ▼9.3% | 2010年 | ※〇〇% | 1勝4敗 | 2.80% |
卯 | 1987年 | 15.30% | 1999年 | 36.80% | ― | ― | 4勝1敗 | 23.10% |
辰 | 1988年 | 39.90% | 2000年 | ▼23.4% | ― | ― | 3勝2敗 | 29.70% |
巳 | 1989年 | 29.00% | 2001年 | ▼23.5% | ― | ― | 3勝2敗 | 4.70% |
午 | 1990年 | ▼38.7% | 2002年 | ▼18.6% | ― | ― | 2勝3敗 | ▼7.5% |
未 | 1991年 | ▼3.6% | 2003年 | 24.50% | ― | ― | 3勝2敗 | 7.70% |
申 | 1992年 | ▼26.4% | 2004年 | 7.60% | ― | ― | 4勝1敗 | 10.40% |
酉 | 1993年 | 2.90% | 2005年 | 40.20% | ― | ― | 4勝1敗 | 15.00% |
戌 | 1994年 | 13.20% | 2006年 | 6.90% | ― | ― | 4勝1敗 | 9.80% |
亥 | 1995年 | 0.70% | 2007年 | ▼11.1% | ― | ― | 4勝1敗 | 16.20% |
(※は12月〇〇日現在、寅年の勝敗は1998年までの分) |
日経平均年間騰落の勝率1位は、卯年、申年、酉年、戌年、亥年の5つの年が、いずれも「4勝1敗(勝率80・0%)」で並んでいる。例の相場格言で言えば、跳ねる(卯)、騒ぐ(申酉)、笑う(戌)、固まる(亥)。亥年を除けば、おおむね成績を反映しているとも言えようか。
ちなみに、「尻下がり」の午年は負け越し(2勝3敗)、「つまづく」の丑年も3勝3敗のタイにとどまっている。
一方、勝率ではなく、年間騰落率で見た場合も、卯年は5回平均で△23・1%に達し、辰年(△29・0%)、子年(△23・8%)に続く3位となっている。
「明るい春の訪れ」の意
ちなみに、一般的に干支(えと)と呼ばれるが、これは十干十二支のことであり、単に「卯年」というよりも「辛卯(かのと・う)」の方がより正確だ。
辛卯は、干支の組み合わせの28番目。この分野に詳しい、日興コーディアル証券・末澤豪謙チーフストラテジストのレポートによると、「辛」と「卯」は、陰陽五行では相剋(金属製の斧や鋸は木を傷つけ、切り倒す)とされる。
「辛」は、鋭い刃物を描いた象形文字で、刃物で刺すことを意味し、「新」に通じて、「新生」「革新」を表す。一方の「卯」は、「冒(ぼう)」と同じで、「芽(かや)」の意味。芽や葉が茂ることになり、「茂」に通じる。植物にたとえると、「辛」の年には、いったん枯死した後、新たに発芽し、明るい春の訪れとともに青葉が生い茂ることになる、のだそうだ。
前回の「辛卯」は、ちょうど60年前である1951年。この年に、現在のEU(欧州連合)の前身であるECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が設立され、サンフランシスコ講和条約によって日本が国際社会に復帰。日米安全保障条約も調印され、戦後の国際関係の枠組みが固まった経緯がある。「新たに発芽した明るい春の訪れ」といったところか。
リーマン・ショック後の混乱は、09年以降でいったん収束。バーゼル?(国際銀行規制)や、「ポスト京都議定書」の二酸化炭素排出規制、またTPP(環太平洋経済連携協定)なども含めて、新たな国際経済の枠組み作りへの動きが活発化する今日の状況も、ある意味で当時と似通ってきたと言えなくもない。
なお、前回の辛卯である、この51年の日経平均(当時の呼び名は「東証修正平均」)は、前年比62・9%高と、52年、72年に続く歴代3位の上昇率を記録した経緯がある。
さらに、十干の「かのと(西暦で末尾に「1」の付く年)の過去の成績を見ても、4勝2敗(勝率66・7%)は、乙(きのと)、丙(ひのえ)、己(つちのと)に次ぎ、十干中の勝率4位となっている。
辛と卯ともに、過去のパフォーマンスが良好であることも心強い。(日本証券新聞ネット)
ライブスター証券は業界最安値水準の手数料体系(現物10万円未満は84円)