2010年IPO件数 前年水準クリアの公算も 大塚HD、ポーラなど年内上場有力

2日、トランザクション(7818)の新規上場が承認された。所属部はJASDAQスタンダード。上場日は10月12日で、新JASDAQ市場開設と同日。栄えある新市場第1号IPOとなる。

2010年IPOはこれで16社目。例年、株式市場は年末に向けて地合い回復に向き、これに伴いIPOマーケットにおいても新規上場数が高まる傾向がある。本年のIPO社数について公開引受関係者は、「20社をベースにどこまで上乗せできるか」。別の公開引受関係者からも「市況にもよるが、22―24社程度になるのでは」との見方が聞かれ、09年のIPO(19社)を超える可能性が出ている。

それでは10―12月のIPO有力候補はどこか。最有力は、かねて本年IPO候補といわれていた大塚ホールディングスだ。

先にブルームバーグが「大塚HDは新規上場申請済み。東証は11月にも承認する可能性がある。主幹事は、モルガン・スタンレー野村ホールディングス、UBS」などと報道。主幹事の面子を踏まえると、国内のほか、海外でも公募・売り出しなどを行う可能性がありそうだ。

大塚HDは傘下に大塚製薬大鵬薬品工業大塚化学、大塚倉庫、アース製薬(4985)などを抱える持株会社で、08年7月に中核企業である大塚製薬との相互株式移転で設立された。

現在、未上場の医薬品メーカーとしては国内最大手。大塚製薬が手掛ける「オロナイン軟膏」「オロナミンC」「ポカリスエット」「カロリーメイト」、大鵬薬品の「チオビタドリンク」「ソルマック」といった消費者向け製品で知られ知名度抜群。このほか世界60カ国以上で販売される抗精神病薬エビリファイ」の開発でも知られる。また、バイオ領域も手掛け、オンコセラピー(4564・東マ)と提携して大腸がんワクチン、すい臓がんワクチンの開発にも参画している。

それでは大塚HDの時価総額はどの程度になるのか。参考までに、7月2日提出の訂正有価証券届出書に記載されたストックオプションの権利行使価格は2100円(権利行使価格と発行価格は同値)。これに6月末の発行済み株式数(5億1915万6817株)を掛け合わせると、時価総額「1兆円」を超える。

同業との比較では、エーザイ(4523)の時価総額を上回る規模感。上場時価総額1兆円超のIPO案件は、4月上場の第一生命(8750)に続く今年2例目になる。

大塚HDのほか、知名度の高いところでは、化粧品のポーラ(東京都品川区)も年内IPOの公算大といわれている。主幹事は野村のもよう。(日本証券新聞

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