上場1カ月第一生命、今後の展望 レポート解禁、三星生命(韓国)IPOなど 5月に注目イベント集中

株ブログ IPO・新規公開株


4月1日、東証1部にIPO(新規上場)した第一生命保険が上場1カ月を迎える。上場企業として最大の約137万1000人の株主数を誇ることになり、これからもその株価動向はさまざまな形で注目されることになるだろう。これまでを振り返るとともに、今後の展開を推察してみる。

■上場後の展開

3月23日決定された第一生命の売出価格は1株14万円。これはブックビルディング仮条件(12万5000円から15万5000円)の中間値。上限価格および目論見書の想定売出価格15万円からディスカウントされた形で落ち着いた。低い売出価格について、市場関係者からは「市場参加者全員にとって望ましい」との見方が当初から出ていた。

初値は売出価格14万円を14・3%上回る16万円と好スタート。東証は大量の注文による混乱を回避するために、第一生命の上場初日の価格決定方法を「一本値方式」とした。初日の出来高は94万株超で、売買代金は全市場トップの約1507億円超。

通常商いとなった上場2日目の4月2日はここまでの上場来高値16万8800円をマークした。出来高も同様にここまで最高の107万株超と人気がピークに達した。2日終値を基準に「指数組み入れイベント」第1弾となる「FTSE」算入もあったことが買い人気の背景にもあった。その後の株価は6日安値15万100円を付け、売買も次第に沈静化傾向をたどる。全市場の売買代金ランキングでは上場初日の1日から6日まで4営業日連続で首位をキープしたが、その後は次第に商いを減少させた。

相場が再び盛り上がったのは、配当(16日を基準日とする株式会社化の記念配当1000円)権利付き最終日となった13日と、14日終値が基準の「MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)指数」への組み入れイベントを前にした先回り買い。同指数をベンチマーク(運用指標)とするインデックスファンドによる買い需要が金額で約590億円、株数で約37万株とみられており、特に14日の出来高は65万株超に膨らみ、上場来3番目の大商いとなった。

13、14日とも戻り高値の16万3000円まで付けたが、その後はイベントの一巡で、商いの先細りと同時に上値も重い相場展開に。株価の振幅が小さい無風状態が続いたが、東証が26日引け後に、5月6日売買分から制度信用銘柄および貸借銘柄に選定し、日証金も同日約定分から貸借銘柄に追加を発表したことで動意。5月6日から空売りが可能となり、流動性の厚みが増すとの期待から見直し買いが入った。超大型株ながら、株価は意外とイベント(材料)に素直に反応していることがうかがえる。

■ここからの材料

第一生命を取り巻く

5月の各種イベント
12日 三星生命保険が韓国でIPO
(中旬) アナリストレポート解禁
14日 決算発表
日銀記者クラブ会見
国内機関投資家向け電話会議
(下旬) 上場後初の決算説明会
28日 TOPIX組み入れ(終値

今後の展開だが、5月14日の2010年3月期決算発表、5月28日終値ベースのTOPIX組み入れが注目イベント。5月14日の決算発表直後には、日銀記者クラブで会見が行われ、同日夕刻には国内の機関投資家・アナリスト向けに電話会議も開催される予定だ。加えて、5月下旬には機関投資家・アナリスト向け決算説明会が予定されている。「日時や場所などの詳細はまだ公表しておらず、連休明けごろに公表する予定。上場後初の決算説明会ということで経営トップから決算のみならず、経営方針なども含めて幅広く説明する機会としたい」(第一生命保険IR担当)としている。通常、新規公開株の幹事団に入っている証券会社はレポートの発行は、40日程度の自粛期間が課せられている。そのため、証券会社からのレポートやレーティングは14日の決算発表後から、続々と出てきそうだ。決算説明会を受けてのレポートも予想され、「レポートは決算数字や説明会を見てからのタイミングで発行されるのが通常だ。バリュエーションが試算されるなど、決算発表からが本当の勝負となる」(いちよし証券投資情報部課長の宇田川克己氏)という。

なお、第一生命のレポートについては、幹事団に入っていないマッコーリーキャピタル証券が1日付で投資判断を新規に「アウトパフォーム」(強気)、目標株価17万5000円、コスモ証券が8日付で投資判断を最上位の「A」、目標株価を20万円と強気レポートを出している。

また、イベントとして韓国最大手の保険会社である三星サムスン)生命の韓国取引所への新規上場が5月12日に予定されている。主幹事は韓国投資証券とゴールドマン・サックス証券サムスン生命の公募価格は23日に11万ウォン(約9300円)に決定。公募価格はブックビルディングの当初予想レンジ(9万―11万5000ウォン)の上限近くで、IPOによる資金調達規模は約4兆8881億ウォン(約4130億円)、公募価格ベースの時価総額は約22兆ウォン(約1兆8600億円)。そのIPO人気次第では波及効果もありそうだ。

第一生命株価の今後の展開については、「初値の16万円を回復できるかが1つの関心となる」(いちよし証券の宇田川氏)、「買うなら16万円を抜けてからと様子を見ている向きは多いのでは」(カブドットコム証券営業推進室マーケットアナリストの藤本誠之氏)との見方がある。一方、「まだ話題性が先行し、成長戦略が見えていない。ブックビルディングに参加した機関投資家は売出価格14万円を妥当とみているのかも。初値16万円はそこに参加できなかった個人投資家が決めた値段ともいえる」(T&Cフィナンシャルリサーチ日本株情報部マネージャーの田中一実氏)との声も出ている。さらに、「秋以降は増資懸念も念頭に入れるべきだろう。第一生命の渡邉光一郎社長の上場後会見でも増資への意欲が垣間見えた」(市場関係者)との指摘もある。「第一生命はIPO銘柄としての側面が薄らいでいる」(いちよし証券の宇田川氏)とはいえ、決算発表と説明会、レポート解禁などイベントは5月ゴールデンウイーク明けから集中しており、マーケットの関心が高まることは確かだろう。(日本証券新聞

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