大胆初値予想! 15万―16万円台か 参考ケースはドコモとT&D、指標ではEEV

株ブログ IPO・新規公開株

いよいよ4月1日に第一生命保険(8750)が東京証券取引所第1部へIPO(新規上場)する。やはり最大の注目点は初値。さまざまなパターンを駆使して初値を大胆に予想してみる。

ブックビル上限 15万5000円

23日に決定した株式の売出価格(1株当たり14万円)はブックビルディング仮条件(12万5000―15万5000円)の上限価格から9・7%ディスカウントされた。これは大手生命保険が相互会社から株式会社化・上場する第1号案件とあって、「主幹事の野村証券としては成功させたい案件」(市場関係者)であることは間違いないだろう。相対的な割安感があり、営業攻勢をかけたい証券業界にとって、この売出価格は歓迎というのが大方の見方。「証券業界にとって、初値は仮条件上限価格の15万5000円で付けて、その後、5月にかけて上がるのがベストシナリオ」(カブドットコム証券営業推進室マーケットアナリストの藤本誠之氏)との声が説得力を増す。

NTTドコモの事例 16万5000円

初値の予想に前例との比較は欠かせない。もちろん、市場環境や銘柄の特性などが異なり一概に比較はできないが、過去のケースは参考になる。時価総額1兆4000億円、国内最多の株主数を持つ第一生命は「10年に1度の超大型IPO」といわれ、社会現象的な注目を浴びている。実際、1998年10月のNTTドコモ(9437)以来の超大型上場という文句がマスコミ各社で取り上げられた。

大型IPO銘柄の先輩であるドコモも、くしくも売出価格は390万円とブックビルディング仮条件(330万―430万円)の上限価格から約9・3%ディスカウントして決定された経緯がある。この割引率は今回の第一生命の約9・7%とほぼ同水準。そのドコモの初値は売出価格比17・9%高の460万円(終値は465万円)。この上昇率を第一生命に当てはめてみると、初値は約16万5000円が試算される。

T&DとPER比較 20万1000円

第一生命の株式会社化・上場は大手生命保険では第1号だが、生保では前例がある。大同生命太陽生命を傘下に持つT&Dホールディングス(8795)だ。

T&Dの権利付き取引最終日26日の終値は2125円で、時価総額は7240億7250万円、予想連結PERは40・2倍だ。第一生命の1株利益は5000円で、売出価格の14万円はPER28倍。T&DのPER水準が適正だとすると、第一生命は20万1000円が弾き出されることになる。

T&DとEEV比較 15万9600円

欧州を中心に海外では、生命保険会社の企業価値を図る指標として、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(EEV)をベースとした評価が一般的となってきている。

09年9月末時点のEEV(修正純資産+既契約の将来価値)は、T&Dが1兆1364億円に対し、第一生命は2兆5057億円。EEVでは第一生命の方が約2・2倍大きいことになり、これを時価総額に当てはめると、第一生命は1兆5965億4035万円で、株価15万9600円が試算される。

大同・太陽の事例 16万5900円、14万1100円

現在ではともにT&Dの傘下となっている大同生命保険太陽生命保険だが、大同生命は02年4月1日、太陽生命はそのちょうど1年後の03年4月1日にそれぞれ上場した経験を持つ。両社とも今回の第一生命と同じく、株式会社化と同時に東証1部へIPOとあって、絶好のベンチマークとなろう。

大同生命は公開価格27万円に対して、初値は32万円と公開価格比で18・5%上昇。一方、太陽生命は公開価格7万5000円に対し、初値は7万5600円と公開価格をわずか0・8%上回った。第一生命の売出価格に両社の公開価格比上昇率を当てはめると、初値はそれぞれ約16万5900円、約14万1100円と出てくる。

特に、大同生命(公開価格比18・5%上昇)はドコモ(同17・9%高)と近似する。

SONYFHの事例 14万7000円

直近の生保IPOではソニーフィナンシャルホールディングス(SONYFH、8729)となる。傘下に生保、損保、銀行、さらに銀行子会社に証券を抱える同社は07年10月11日に新規上場で、比較的記憶に新しい。同案件は資金吸収額が公開価格ベースで約3480億円だった。

SONYFHの初値は公開価格40万円を5%上回る42万円で形成。これを第一生命のケースに当てはめると、初値は14万7000円。

直近IPOの事例 17万3100円

過去の関連深いIPO案件を振り返ってみたが、地合いもそれと同じくらい重要な価格形成の要素。現在の市場環境を図る上では直近のIPO動向が格好の参考材料となる。

今年のIPOは3月3日に上場したアニコムホールディングス(8715・東マ)を筆頭に、3月24日のダイト(4577・2部)まで6件。初値は公開価格対比で超えたものと割れたものが3件ずつ。公開価格から初値の平均上昇率は23・68%。IPOという特質上、下方硬直性が強いのも事実だが、第一生命の売出価格に今年IPOの平均上昇率23・68%を乗じると、17万3100円。

ちなみに、公開価格比2倍(100%上昇)で初値を付けたアニコムが先の平均上昇率23・68%の内、16・67%ポイント分を稼ぎ出している。同社はペット保険専業のアニコム損保などを傘下に持ち、広義の"保険関連"ともいえる。

IPOの初値については上場時の市場ムードによって初値にプレミアムが付きやすくなる。穏健な初値形成後に右肩上がりのパターンとなることがマーケット全体にとってプラスに働くことは間違いない。(日本証券新聞

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